女の大野望は愛を呼び起こすことにある。
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莫大な遺産を受け継いだリネット(ロイス・チャイルズ)は、美しい顔立ちとは裏腹に冷たい女性でした。
そんな彼女の元に友人のジャッキー(ミア・ファロー)がやってきていました。
リネットもジャッキーと話すときには楽しそうに思えます。ジャッキーは近々婚約者のサイモン(サイモン・マッコーキンデール)と結婚することを話し、二人とも貧乏なので彼をこの屋敷で働かせてほしいと持ちかけました。
リネットはそれを快諾しジャッキーは小躍りして彼を連れてきました。そして…結婚式…しかしサイモンの結婚相手はリネットでした。
彼らはジャッキーがハネムーンの時に行こうと言っていたエジプトをハネムーン先とし出かけますが、行く先々でジャッキーと出会い嫌味と言い争いが…困り果てた彼らはある朝、駅に行くと見せかけておびき出し、逆にナイル川を行く客船に乗り込むのでした。
しかし途中の停泊地カルナック大神殿で、追いかけてきたジャッキーも加わり、客船カルナック号は出航することになるのでした。
その夜、酒を飲んでいたジャッキーはサイモンと口論となり、持っていた22口径デリンジャーで彼を撃ってしまいます。
足を撃たれたサイモンはソファーに倒れ込み、その姿を見たジャッキーは恐ろしさのあまり拳銃を手から捨てるように落とし、泣きながら動揺してしまいます。その場に居合わせたロザリー(オリヴィア・ハッセー)は、ちょうどやってきたファーガスン(ジョン・フィンチ)と彼らの手当てをすることに。
看護婦の経験のあるパワーズ(マギー・スミス)も呼ばれ、ジャッキーは別室に連れていかれます。サイモンも後でやってきたベスナー医師(ジャック・ウォーデン)の手当てを受けることになりました。しかし事件はこれだけでは終わらなかったのです。
翌朝メイドのルィーズ(ジェーン・バーキン)が、リネットが頭を撃たれて死んでいることを発見して騒ぎが起こるのでした。
事件は乗り込んでいたレイス大佐(デヴィッド・ニーヴン)と友人エルキュール・ポアロ(ピーター・ユスティノフ)に一任されることになりました。
二人は調査を開始したのですが…この船にはリネット殺害の動機を持つ者ばかりが乗り込んでいたまのでした。
映画鑑賞の記録のmiriさん発祥、現、忘却エンドロールの宵乃さん主催の「ブログ DE ロードショー」に参加です。この企画は映画を決めて、その期間中にみんなで観ようというもので、通常は1本決めてから観るのですが、今回は同じテーマということで特別企画です。
企画名は「第3回 秋の夜長のミステリー企画」です…とはたと困ったのが、私はミステリーとサスペンスをごっちゃにして全てサスペンスとしてジャンル分けをしてしまっていたことです。
漠然とミステリーというのは謎があるものと思っていたのですが、実際問題この線引きはなんだろう?と思って少し調べたところ、どうやら、
ミステリー:最初に犯人が判っておらず、謎を解きながら犯人を捜すもの。
サスペンス:犯人が既に分かっていて、その殺しの謎を解くもの。
となっているものらしいです。
とはいうものの、両方の要素を持っているものも多いですよね。
その為、最初は「サイコ」を観ようと思っていたのですが、これは微妙で、最後にどんでん返しはあるものの、どっちかというとサスペンスなのかな?と思ったり、コナンの最新作を観ようと思って、2泊3日の縛りで借りられず(7日は欲しい)…といろいろと悩んだ挙句、久しぶりに「ナイル殺人事件」を再観することにしました。
レビューは、以前のものに修正、加筆を加えてあります。
ミステリーの女王と呼ばれているアガサ・クリスティ原作「ナイルに死す」を映画化した作品で、壮大なスケールのエジプト各地のロケに加えて豪華キャスト出演の贅沢品です。(^^;
彼女と結婚したサイモン、
恋人サイモンを奪われ嫉妬に狂っていたジャッキー、
エジプト人と結婚したいので支度金が欲しいと言っては、はねられているメイドのルィーズ、
財産管理人であり伯父でありながら使い込みをしているペニントン(ジョージ・ケネディ)、
自分の評判を落とされたという医師ベスナー、
彼女を社会の寄生虫だと思っているファーガスン、
彼女の豪華な宝石に目を付けているバンスカイラー(ベティ・デイヴィス)、
彼女の父に父親を破産に追い込まれたパワーズ、
作家で彼女のことを書いたために訴えられているサロメ・オッターボーン(アンジェラ・ランズベリー)とその娘ロザリー。
その船には彼女に因縁のある人々がなんと10人も乗っていました。
「もしあなたが犯人なら」という推理でその人が事件を犯すときの再現フィルムが流れるのはもう推理モノの典型ですが、その演出っていいですねぇ。おかげでリネットは何度も撃ち殺されてます。(^^; ひゃー
それにしても少しずつ証拠が出てくるにも関らず犯人の正体は不明…上映中、まさかと思っていた人が犯人ではありましたが、そのアリバイ崩しは出来ませんでした。
再度観ると随所に伏線が貼られてあり、なるほど、ここでも…と気づきますが…よくできているミステリーものでした。
げに恐ろしきは女性なのか…と思っていたのですが違いますね。
ベルギー髭にこだわりユーモラスな体格のポアロを演じたピーター・ユスティノフは、みごとにはまり役となり、続けて別の事件も担当しました(TV版は小男で癖も違うらしくて、こちらが好きな人には違和感があったようですが、私はこっち先だったので好きだったりして)。
【ここがいい!】
・全てが計画的であり、それが分る最後の謎解きがやっぱりいいですね。
・再現フィルム。(^^;
・最後に船から運び出される死体が怖すぎます。
【ここは問題かな?】
・遺跡での殺人未遂や真珠のネックレス盗難の件は?(-o-) これらも、かなりの問題だと思いますけど…再現フィルムはありましたけど、証拠が無いので駄目なのかな。でも、そのまま放置って。
【一言いいたいコーナー】
・実際の容疑者には「ただ単に殺す相手を間違えたのかもしれない」とカルナック号の船長まで集められたのには笑ってしまいました。
・サンディー・オニールのテーマ曲「ミステリー・ナイル」は大好きな音楽の1つですが、実はこれは日本独自なもので、日本公開時にはエンディングが差し替えられていました。予告や劇場などでは流されていたので気になりませんでしたが、実際にはもっと厳かな感じの曲が使われており、DVD版では差し替え前のものでした。こっちが本物(?)ですが、その音楽に慣れ親しんだ私としては残念でした。ナウシカのイメージソングの時のイメージ違い(何それ!)ということもなさそうな音楽でしたけどねぇ。私の記憶では劇場で観た時も使われてなかったと思っていたのですが、その時には流れていたようです。なんとも小鳥頭です。
・なんでも当時はルパン三世(ルパンVS複製人間)と同時公開されている劇場(長崎、その他で確認)もあったようです。私は1本だけでした。
かたすみの映画小屋(santapapaさん)の「ナイル殺人事件」
映画鑑賞の記録(miriさん)の「(1−238) ナイル殺人事件 (殿堂入り) 」
或る日の出来事(ボー・BJ・ジングルズさん)の「「ナイル殺人事件」」
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ラベル:ミステリー