公開年 | 2013年 | |
制作国 | 日本 | |
監督 | 平松恵美子 | |
原案 | 山下由美 「奇跡の母子犬」 | |
制作 | 大熊敏之 | |
制作総指揮 | ||
脚本 | 平松恵美子 | |
撮影 | 近森眞史 | |
音楽 | 寺嶋民哉 ソナーポケット「花」 | |
amazon.co.jpでの評価を見る。 |
宮崎県…ある老夫婦の農家であるワンコが命を授かりました。そのワンコは老夫婦に可愛がられていましたがおばあちゃん(草村礼子)が亡くなり、おじいちゃん(夏八木勲)も施設へと引き取られてしまいます。残されたワンコもまた農家の解体業者に追い出され野良犬となってしまうのでした。
保健所職員の神崎彰司(堺雅人)は、元動物園勤務をしていたほどの動物好き。
今は母の琴江(吉行和子)と娘の里美(近藤里沙)、息子の冬樹(藤本哉汰)、そして2匹のワンコ、ココアとプリンと暮らしていました。
彼は保健所に来た犬たちが7日間の猶予の後、処分することに耐え切れずしばしば期間を延ばしたりしていました。実は家のココアとプリンもそうしたワンコたちだったのです。里美はまだ父がどのような仕事をしているのか知らず、ワンコたちの里犬探しを手伝っていました。
そんなある日、母親と3匹の子犬たちが収容されます。彰司は子犬たちを守ろうと自分たちを威嚇するように唸る母犬をなんとか助けたく、2/14までの期限を28日…自分が担当である期間ギリギリまで伸ばし、獣医師の五十嵐美久(中谷美紀)や同じ職場の佐々木一也(若林正恭:オードリー)たちと里親を探そうとします。
しかし人間に敵意を持つ犬を譲渡することができず、かれはなんとか母犬の心を解きほぐそうとするのでしたが…。
保険所に連れてこられる犬たちとそこで働く職員さんたちを扱った作品です。7日間しかあずかっておけない保健所、期限が切れれば処分という過酷な運命が待っており、そこで働く人々も決して好きで処分しているわけではありません。仕事に対するストレスは大変なものだったと思います。こういう部分の疲れきったところは実は主人公よりも若林さん演じる職員の方に感じられたため、ラストでは大きくそれが活かされていたように思えます。
集まってくる犬は、野良犬であったり、引っ越しによって飼えなくなった犬、齢をとってしまった犬たち…人間たちの身勝手さで送られてくるものも少なくありません。ラストは救いのある終わり方でよかったですが、これから犬を飼おうとする人は、ペットショップで買うだけでなく、保健所の犬たちも視野に入れてほしいと思いました。
【ここがいい!】
・母犬に対する人間たちの仕打ちは本当に酷いものがありましたが、この怒り、不信感を拭おうと努力を重ねる主人公は静かな演技ですが感情がとてもよく伝わりました。こういうところは堺雅人さん、やっぱり上手いですね。ラスト付近ではちょっと「風の谷のナウシカ」に通じるというか、そっくりなシーンもあったりして。
・まだ小学生である娘に自分の仕事を説明する辛さ。実はラストよりこっちの方が泣けてしまいます。
【ここは問題かな?】
・7日間のルールのもとではありますが、実際にはさらに2週間ほど延長されています。タイトルに問題アリでは?
・母親を里親に出すためには人間への敵意を拭わねばならず、主人公はほぼそのために動いています。そのためか、必死に里親を探している場面はありません。
・ひまわりの名付け親は…ですので、予告にも問題アリです。なんだか、実際の本編以外でおかしなところが多いですね。
・母犬と子犬ばかりがクローズアップされており、ほかの犬たちは無慈悲にも処分されていく…わかってはいるけどやっぱりやるせない。
【一言いいたいコーナー】
・ひまわりのお父さんはいったい!!
・吹き矢…いや、ちょっと怖いんですけど。
・税金で養っているんだから…という通報も怖いシーンですね。
・2007年に実際に宮崎県中央保健所で起こった事をもとにした作られたようです。
▼ よろしければ、励みになりますのでクリックをお願いいたします ▼