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2011年11月17日

武士の家計簿

生きる術の中に、私も加えてください。
武士の家計簿(初回限定生産2枚組) [DVD]
2010年製作国:日本
監督:森田芳光原作:磯田道史『武士の家計簿「加賀藩御算用者」の幕末維新』
製作:『武士の家計簿』製作委員会製作総指揮:原正人、飛田秀一、豊島雅郎、野田助嗣
脚本:柏田道夫撮影:沖村志宏
音楽:大島ミチル、Manami「遠い記憶」amazon.co.jpで詳細を見る。

ストーリー
江戸時代後半…加賀藩、猪山家は代々御算用者として藩の財政に携わってきました。
8代目となる猪山直之(堺雅人)は、父、信之(中村雅俊)とともに城で算盤(そろばん)をはじいていました。その能力は父をもうならせるほどで、ただひたすら算盤に向かい、数字のチェックを行っており、周囲の者からは『算盤バカ』と呼ばれていました。

そんなある日、直之に縁談が…相手は町同心の西永与三八(西村雅彦)の娘お駒(仲間由紀恵)でした。
ちょうど直之は御蔵米勘定役として不正米の調査をしていたところでした。
婚礼が執り行われようとしていたとき、直之の上司、奉行は公然の不正を暴きかねない直之を修行(いわゆる左遷)に出し、調査報告をもみ消そうとしていました。
しかしその後の取り調べで不正行為はすべて暴かれ、人事は総入れ替えとなるのでした。
直之は、藩主の御次執筆役という異例の出世を果たしましたが、息子が4歳になり着袴の祝いの時に、家計が火の車であり、自分と父の録を合わせても借金を払うことができなくなっている事がわかります。彼は苦肉の策を打ち着袴の祝いを乗り切ります。困惑の家族に売れる家財はすべて処理するように言い、今後は入払帳(家計簿)をつけるようにするのでした。

やがてその入払帳は息子の猪山成之(伊藤祐輝:幼少時は大八木凱斗)が付けるようになり、算盤、そして武士としての心構えを説くのでしたが…。

映画レビュー
ちょっとオススメ武士として生きる者において、刀は武士の命、そして武勇を立ててこその出世が今までの時代劇では普通でしたが、この作品では、刀ではなく算盤。御算用者としてなによりも大事にしていたのは算盤だったのです。
確かに今の世の中でも、営業が花形であったとしても、事務をこなす人間がいなければ仕事は回らなかったりします。作中でも「戦える人間はいくらでもいる。しかし算盤ができる人間は武士1000人分の価値がある」と言う人がいました。
会計能力に秀でている彼らは、それをお家芸として、刀よりも大事にしているのです。逆に取柄はそれだけしかなく、直之に嫁ぐお駒にも「それでもいいか?」とたずね、お駒が「生きる術の中に、私も加えてください」と言うところはとても印象的でした。
ただ「武士の家計簿」というタイトルになっているにも関わらず、武士という職に関する入払いの内容が妙に薄かったように感じられました。もっとこういうことで金子が必要とか、あってもよかったのではないでしょうか(子供の教育という内容ではありましたけど)。

物語はとても淡々と進みますが、なぜか目が離せない。
時には笑いがあり、感動があり、そして猪山家の生涯が語られるのです。

直之はとても正直に生き(結局のところ、帳尻が合わないのが嫌いなのだ)、損をすることはありますが、最後には認められているのはちょっとご都合主義的とも思えますが、人間、後で子供に自慢ができるように生きることは大事でしょう。

周囲でも親子のけじめ、礼儀作法など、行われているのかと改めて感じさせられました。
私は相手に礼儀がないと、それなりの対応しかしませんけど。(^^;

Number679【ここがいい!】
・いろいろな場面がありますが、印象的なのは着袴の祝いの時にとった絵鯛でしょうか。この時に直之が息子を背負ったシーン、そして父信之が孫を背負ったシーンがラストの親子のシーンにオーバーラップして涙です。
・このほかにも、祭りの時に買った櫛、母がずっととっておいた着物に関わるシーンなどとてもいいです。
・鱈を工夫して食べるところなどもいいですねぇ。

【ここは問題かな?】
・淡々と進む割には結婚までの時間、左遷決定までの時間とか、どういう時間軸だったんだろう。
・長期にわたる人間ドラマなので、どうしても亡くなっていく人がいますが妙に次々と…人によるでしょうけど今はあまりそういうところは観たくなかったので、余計に悲しかったです。っていうか、どこまで続けるんだ!というくらい続きましたけど。
・娘のお熊はいったいどうなったのでしょう。はて?

【一言いいたいコーナー】
・会話における伏線が結構多いです。どの言葉も聞き逃さないようにしましょう。
Number679・子は父の背中を見て育つと言いますが、まさにその通り。しかしそれがわかった時にはすでに父は逝ってしまっていることが多いのかも。それが早くわかればいい…しかしそれは教えることはできない。

コメントありトラックバックです。
しずくの水瓶(しずくさん)の「武士の家計簿

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タグ:映画 DVD 時代劇
posted by 白くじら at 23:34| Comment(4) | TrackBack(1) | 時代劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月28日

丹下左膳餘話 百萬兩の壺

江戸は広い。10年かかるか、20年かかるか…まるで仇討ちのようだ。
丹下左膳餘話 百萬両の壺 [DVD] COS-032
1935年製作国:日本
監督:山中貞雄原作:林不忘
製作:日活京都撮影所製作総指揮:
脚本:三村伸太郎撮影:安本淳
音楽:西悟朗amazon.co.jpで詳細を見る。

ストーリー

モノクロ柳生一門に伝わる「こけ猿の壷」。その壷には百万両の在り処を記した絵図面が忍ばされていました。
そのことを知った柳生でしたが、あろうことかつい先日、江戸で婿入りをした弟、源三郎(沢村国太郎)に壷を譲っていました。さっそく使いの者を江戸に送り取り返そうとしましたが、兄弟によくある僻み根性から、源三郎は三文の値打ちもなさそうな壷を返そうとはしませんでした。
やむなく値を吊り上げた使いの者に、明らかにおかしいと問い詰めた源三郎は壷に百万両の価値があることを知ってしまいます。が、ときすでに遅く、壷は妻の手により十文で屑屋に売られてしまっていました。
やむなく源三郎は城下町に壷を探しに行くのでしたが、婿養子であった彼にとってそれは開放感のある「仕事」で、これ幸いと矢場の娘に熱を上げ始めるのでした。

一方、売られてしまった壷は、屑屋が住む長屋の住人である七兵衛(清川荘司)の息子、ちょび安(宗春太郎)の金魚の棲家とされてしまいます。
七兵衛が矢場でのゴタゴタから死んでしまったことを機に、矢場の居候で用心棒である丹下左膳(大河内傳次郎)は、女将お藤(喜代三)と共に、ちょび安に関わることになります。
こうして数奇な運命からか、壷を巡る人々は矢場へと集まることになるのでしたが…。

映画レビュー

オススメ第7回「ブログ DE ロードショー」の推薦作品です。
選ばれたのは「忘却エンドロール」の「宵乃」さんです。

時代劇は久しぶりです。
しかも1935年…生まれていません!(^^;
しかしながら、丹下左膳の名前は知っていますし、この隻眼片腕の剣士が凄腕の達人であることも知っていましたが…この作品で登場する左膳は思っていた侍とは違っていました。ものすごく人情味があって、剣客というよりも…なんとも微笑ましいおじさんといった感じですね。(^^)

しかし、そこがまた面白い!
この作品自体、どうやら通常の丹下左膳の作品(と言ってもほとんど覚えていませんが)とは違っていて、喜劇になっているのではないでしょうか。
ストーリーは丹下左膳と源三郎、そして柳生の3サイドから描かれながら、いい感じで絡み合っています。ほとんどは丹下左膳と源三郎になっていますが、この二人が非常に面白く描かれています。
まず丹下左膳が凄く人間くさい!嫌なことは嫌ときっばり言いますが、それがまた子供が駄々を捏ねているみたい。それもこねくり回しています。しかしそこまで叫びながら、次のシーンでは結局言われていることをしていたりします。思わず吹き出しそう。このパターンが多く、すっかり人情味豊かなキャラが出来上がっているのです。
これにちょび安が加わり(これは宵乃さんの説明でもありましたが)「擬似家族が織り成すホームドラマ」となっていました。力関係も左膳が一番弱いのがもう…ツボです。(^^; 彼の困ったような顔や嬉しそうな顔、ちょび安を見守る表情がとてもよく感動してしまいます。

とまぁ、ここまで人情親父風ですが、源三郎の不知火道場での立ち回りや、ラスト近くの立ち回り(カットされているところ)などはさすがに凄腕の剣客ですね。どうしても片腕のため、特異な殺陣になっているところは必見かもしれません。
こういうギャップも観ていて面白いところです。

もう片方の主人公と言ってもいいのが源三郎です。
彼は最初こそ100万両のために動きますが、その実、婿養子の立場から逃げたいという…そのために壷を探しているようです。そのためどこかのんびりとしていたり、しかしそれがやがて最後のオチにつながっているという絶妙な位置にいました。

先が読めるところも多いのですが、それを考慮しても、役者陣の表情のよさ、小道具の演出など、楽しめる要素が詰まっている作品に仕上がっていると思います。
宵乃さん、紹介していただきありがとうございました。

【一言いいたいコーナー】
・達磨、三味線を弾くときの招き猫の向き、的の大きさ、壷など小道具の演出が光っています。
・当時の作品なので当然でしょうけど、タイトルが右から左読みで新鮮でした。(^^)
・終盤のアクションシーンがあるのですが幻のシーンとなっているようです。この部分は戦後に発見されており、DVDにも収録されていますが残念ながら音声はありませんでした。
・ちょっといろいろと調べていると原作者の林不忘側から左膳のイメージが違う云々の抗議もあったようで…やっぱり喜劇として作られてしまったのでしょうね。いわば、パロディ作品に近いのかも。
・ジャケ写では1953年になってますが…?はて、どうなっているんだろう。
Number579・2004年「丹下左膳 百万両の壷」監督:津田豊滋、主演:豊川悦司によってリメイクされています。DVDには速報みたいな感じで収録されていましたが、映像がなくってよく判りませんでした。

コメントありトラックバックです。
忘却エンドロール(宵乃さん)の「映画「丹下左膳餘話 百萬兩の壺(たんげさぜんよわ ひゃくまんりょうのつぼ)」再見しました
映画鑑賞の記録(miriさん)の「2−527 丹下左膳餘話 百萬兩の壺

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posted by 白くじら at 15:24| Comment(5) | TrackBack(2) | 時代劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月04日

座頭市

朱色の仕込み杖に近づく者は…。

座頭市 <北野武監督作品>2003年
製作国:日本
監督:北野武
プロデューサー:森昌行、齋藤恒久
企画:齋藤智恵子
原作:子母沢寛

amazon.co.jpで詳細を見る。

ストーリー
宿場町への道で休んでいたあんま…近づいてきたヤクザの集団は子供をつかい、あんまの杖を奪います。しかしヤクザたちは目にも止まらないあんまの動きに、あっと言う間に2人を殺されるのでした。
あんまは盲目でありながら、居合いの達人座頭市(ビートたけし)だったのです。

その日、宿場町は座頭市のほかに、用心棒を生業としている浪人の服部と妻、旅芸者の姉妹を迎い入れました。
服部は妻の重い病気の費用を稼ぐために、この町の親分である銀蔵に雇われることに。一方姉妹は、自分たちが子供の頃に一家惨殺された犯人を追いかけていました。

賭場で稼いだお金で姉妹たちを買い、彼女たちが暗殺の技を持っていることと、悲惨な過去があることを知る座頭市。
賭場でイカサマを暴いた座頭市の大暴れから、用心棒服部との出会い、そして親分銀蔵を裏から操る真の大親分…姉妹の言葉から、その男こそが彼女たちの犯人であることを知り、ついに壮絶なる死闘が開始されることに!

感想はコチラから ▼

posted by 白くじら at 00:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 時代劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月14日

ワタリ

四葉のカタバミはササラ山の二面地蔵の近くじゃ。

大忍術映画 ワタリ【劇場版】1966年
製作国:日本
監督:船床定男
製作:大川博
原作:白土三平の『ワタリ』
企画:岡田茂、秋本隆夫、新海竹介

amazon.co.jpで詳細を見る。

ストーリー
今から300年以上も前、伊賀の里は百地三太夫を頭梁とする百地党と、藤林長門の藤林党の2つに分かれ、双方の下人たちが小競り合いを続けていました。さらに百地には「死の掟」があるものの、その掟の実態すら分からないまま処刑されていました。
今も雲組のカンネが仲間に追われていました。
彼はその謎の掟にふれたため舌を切られ逃げたのでした。仲間の1人カンパチの死巻によりカンネは倒れ、その時持っていたコケシはちょうど居合わせた少年の手に…少年の名前はワタリ(金子吉延)、爺(牧冬吉)(伊賀の四貫目)とともに伊賀に流れ付き頭梁の下人となっていました。
彼らは伊賀にも甲賀にも属さない第3の忍者でしたが、そのことはまだ誰も知りませんでした。

百地三太夫と大頭の音羽の上戸(大友柳太朗)はカンネが死ぬときに「死の掟」が雲組にもれた可能性があるとして、組に武田忍軍の守る五月雨城に向かう仕事を与えます。雲組みはその途中、謎の忍者たちの手にかかり全滅してしまいました。
下人たちを簡単に殺してしまう原因の1つは、忍者養成場で次々と忍者が養成されているからだと思ったワタリは養成場へ…そこで出合った同じ少年忍者カズラと意気投合、友達になり家にまで遊びに、そこで出会った美しい姉のツユキとその恋人である新堂の小次郎…彼らは里を抜け夫婦になる決心をしていましたが、そのことは三太夫の知ることとなり、最後の仕事として五月雨場の城主の首を取ってくるように言われます。
しかしそこで待ち構えていたのは武田の忍びではなく、伊賀崎六人衆と呼ばれる藤林の忍者と藤林の組頭楯岡の道順でした。
強敵六人衆の前に無残に散るツユキと小次郎!
カズラはそのことを知ると藤林の里へ、そしてワタリもまた…2人は謎に近づきつつありましたが、「死の掟」は彼らが思っているよりもはるかに巧妙に隠されていたのでした。

感想はコチラから ▼

posted by 白くじら at 00:07| Comment(4) | TrackBack(0) | 時代劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月15日

里見八犬伝


里見八犬伝1983年
製作国:日本
監督:深作欣二
製作:角川春樹
原作:鎌田敏夫
脚本:鎌田敏夫、深作欣二

amazon.co.jpで詳細を見る。

ストーリー
星よ…導きたまえ。

その昔、里見家が蟇田家と玉梓との戦いの中、あまりに窮地に追い込まれたために八房と呼ばれた犬に敵の大将の首を取ってくれば伏姫を与えると約束しました。八房は見事に大将の首をとり、殿様は犬とはいえ約束を反故にすることもできず伏姫を与えました。
しかしそれを由としない者たちの手により矢が射掛けられ、八房をかばった伏姫はその胸に矢を…その時、光とともに八つの宝玉が飛びちったのです。
そしてその宝玉を受け継ぐものこそ静姫を奉じ邪悪をうつ八犬士にほかならないと…伏姫録起絵巻には記されていました。

そして100年、滅ぼされたはずの玉梓とその息子蟇田素藤が闇の軍団とともによみがえり、里見の城を襲いました。
じぃとお付きの女性とともにかろうじて逃げることができた静姫(薬師丸ひろ子)は、武蔵にある叔父上の城へ急ぎますが、追撃してきた闇の騎馬隊にじぃを殺され、お付きも身代わりに連れさらわれてしまいます。
さらに独りで逃げているところを親兵衛(真田広之)と名乗る若者につけ狙われます。
その危ないところを救ったのは、犬山道節(千葉真一)と犬村大角と名乗る男たちでした。
彼らはそれぞれ「忠」「義」2つの宝玉を見せ、静姫に伏姫録起絵巻を見せながら、里見家を復興させるためにはあと6人の犬士を探し出す以外に方法はないと説明するのでした。

感想はコチラから ▼
posted by 白くじら at 11:07| Comment(4) | TrackBack(1) | 時代劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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