2005年版(WAR OF THE WORLDS)
監督:スティーブン・スピルバーグ
製作:キャスリーン・ケネディ、コリン・ウィルソン
製作総指揮:ポーラ・ワグナー
原作:H・G・ウェルズ
脚本:ジョシュ・フリードマン、デヴィッド・コープ
彼らは、すでにここにいる…。ある日のこと、湾岸労働者レイ(トム・クルーズ)は、別れた妻マリー・アン(ミランダ・オットー)が子供たちを連れてくるため仕事を早々に切り上げて戻ってきました。
マリーが今の夫とボストンにある実家に戻る間、子供の面倒を見て欲しいというのです。
ロビー(ジャスティン・チャットウィン)とレイチェル(ダコタ・ファニング)は、レイとなかなか打ち解けようとせず、特にロビーにいたっては彼をパパと呼ばずレイと呼ぶほどでした。
ロビーが勝手にレイの車で出かけたときのこと、外に出たレイは上空の様子がいつもと変わって暗雲が渦巻いているのを目撃します。嵐にしては風が吹いてくるのではなく、嵐に向かって風が、とその時、落雷が!
同じところに落ちないはずの雷がなぜか何度も同じところに落ちてきます。レイとレイチェルは机の下でじっと嵐が通り過ぎるのを待ちました。
やがて辺りが落ち着いたとき、周囲では電気はおろか、電話、携帯、車などすべての機械が停止していました。
レイはレイチェルに家にいるように言い、様子をみるために飛び出しました。周囲でも車が停止して動かなくなっていました。
知り合いの話しによると雷は都合26回、しかもやはり同じところに落ちたらしい。人々がその穴を覗きこんだとき、次の異変が起きました。
地震、地割れは道路を横断するだけでなく建物まで割り、そして地の中から3本足の巨大なマシーンが姿を現したのです。
一瞬状況の飲み込めないレイたち…そんな彼らに向かって死の光線が発射されました。それに当たった人たちはまるで弾け飛ぶように肉体が滅びてしまうのです。
悲鳴が上がり死の灰が舞う中、レイは家まで逃げ帰ると、帰っていたロビーとレイチェルを呼び何も言わず逃げる準備をさせるのでした。説明を求めようとする2人も、あまりのレイの変わりように黙ってしたくを始めます。
唯一動く車に乗り込み、再び迫ってきたマシーンの攻撃から逃げる家族はいったい何処へ…。

これはいったいどうしたことでしょうか…最初のプロローグからエピローグまでほぼ「
宇宙戦争(1953年版)」と同じ、単に科学者だった主人公が一般人になっただけ…と観る視点が当然変わるのでその点では面白かったのですが、そのほかには宇宙船がトライポッドになっただけで、あの隠れ家でのサーチ用のアームや火星人、叩き切るところまでそっくり。
しかも一般人なのでその部品は役立てることもなく捨てられます(おおっ)。
ラストのオチも同じで、腕だらりまで…うーん、公開前にどうしてあそこまで秘密に徹したのでしょうか、何も目新しいことがなかったのが非常に残念です(だから極秘扱い??)。
こんなことならリメイク版とちゃんとうたって欲しかったですねぇ。ひょっとしてそれなら客が入らないかと思ったのでしょうか。
さらに一般人を主人公にしたために、火星人がなぜ3機でグループを作っているのか、血を欲しがっているのはなぜ(あの植物は謎です)、といった部分がすっぽりと抜けてしまっていたようです。
逃げるだけではやっぱり難しいですよねぇ。SFはアクションだけではなくそれなりの理由付けがやっぱり欲しいのです。
こういうところはビジュアル的に弱かった昔の作品の方が優れているのではないでしょうか。
トライポッドが地面から出てくるところは序盤の見せ場ですが、なぜ地底に潜っていたのかはさっぱり謎です。しかも眠っていたのかと思えば稲妻にまぎれて乗り込むという二度手間を。
こんなことなら宇宙船で降りてくればいいのにと思ってしまいました。潜っていた間に地球を調べていたというのならあのラストには納得いきませんし、謎です。
家族ドラマとして見ても、あの状況では逃げるだけになってしまいますし、前振りでさんざん言われていたほどのドラマ性は感じられず、普通ではないかと思いました。
幼いレイチェルとはなんとか通い合ったよう感じでしたが、ロビーとはあれでは無理な気が…なにせ状況的にレイチェルのところへ早くいかなければならなかったので、レイが全然納得していないまま折れてしまっただけのように感じました。
それでもロビーはやっと信じてもらえたとばかりにうなづいていましたが…しかもその直後の大爆発で普通は。ラストはちょっとねぇ、あれだけ自分勝手に逃げまくってて平和的にまとめすぎかな。ロビーの件も不可思議極まりなかったです。しかもあのマリーの家の平和そうなこと、どうしてあの家は被害を受けていないのか不思議でした。まさか…霊界?(^^;
ただ家族との絆は…ラストではレイとマリーとの間には「大きな溝」があるままでしたね。
レイチェルを演じていたダコタちゃんの演技はひょっとしてトムを超えているのではと思いました。
あの恐怖から我慢に我慢をしての悲鳴にはびっくり、ただ逆にレイとロビーがあまりにも冷静なのであのシーンではただうるさいだけになりそう。でもあのレイチェルの反応こそ正しいと思います。
というわけでいろいろ文句を言いましたがあのトライポッドの動きと迫力は一見の価値がありました。
なんだか非常に残念な作品でした。
【いっぱいいいたいコーナー】
・で結局大阪はいったいどうやってトライポッドを退治したのでしょうか。やっぱりボケとツッコミでしょうか。(^^;
・あの自分が修理を指示した車に乗って脱出しようとするレイ…あれしかないとはいえ、あまりにも自分勝手な。ほかの手段は考えらなかったのでしょうか。それにしてもほかに直った車がなかったことにもびっくりです。
・どうしてもレイをヒーローにしたかったのか、レイが逃げた方へとくる地割れ、あの破壊光線もレイをかすっているシーンの多いこと、極めつけの最後の「鳥が…」のシーンなど観たくなかったです。ダメ親父のままいろよー。(^^)
・そもそもバリアが切れていたのはなぜなのか。体調が悪くなって「たまたま」解除SWにでも触ったのでしょうか。(^^;だとしてもせいぜい1台くらいでしょうに。
・「
宇宙戦争(1953年版)」のレビューのときにも書いたのですが、用意周到な火星人が大気の有毒要因になぜ気付かなかったのが疑問ですね。旧作では「観測」という言葉を使っていたのでまだよかったのですが、今度はかなりしっかりと調査していたようですが。
・宇宙戦争自体の意味は地上での戦いに続いて宇宙にも進出する地球、それはすなわち対人間が対火宇宙人となるというニュアンスです。戦うところが地球なだけでこれも星間戦争の1つです。宇宙空間でバシバシというのを期待して観るとびっくりするのでご注意ください。

1953年「
宇宙戦争」
2005年「
宇宙戦争」

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○「宇宙戦争」」
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